映画のラスト前、小谷初枝(田中絹代)の勤める国民学校の運動会。
そこでマラソン大会があり、飛び入りで中瀬古庄平(佐野周二)が参加する。
上記のシナリオにも映画の中の台詞にも「高津神社」までの往復とある。
映画の舞台の夕陽が丘、口縄坂界隈から高津神社までのマラソンの様子が描かれる。
戦時中の映画だが、なんとも長閑な雰囲気だ。
映画には「高津宮(高津神社)」の表参道と階段が映っている。
この場所もK氏に教えていただいた。
管理者は上方落語「高津の富」や「崇徳院」の舞台ともなる「高津宮」を一度だけ訪れたことがあるが、
本作のロケ地に登場しているとは気付かなかった。
今から77年前の映画だが、階段(下記グーグルMapB)はほとんど変わらない姿で残っている。
電信柱の位置も同じ。
成瀬監督も作品の中で実にいい場所をロケーションに選んでいるが、川島監督も同様だ。
センスがいいとしか言いようがない。
今回本作をあらためて観直してみたが、川島監督のデビュー作にして素晴らしい傑作だ。
川島監督が助監督に付いたことのある先輩監督・清水宏の「ほのぼのとした」作風を感じさせる。
そういえば、佐野周二は清水宏監督『花形選手』(1937 松竹)の軍事教練のシーンでも楽しそうに走っていた。
この後、川島監督は『天使を夢を見る』(松竹大船 1951)まで少し低迷期になってしまうのだが・・・
少し画質は悪いが、本作はYouTubeにアップされていて視聴可能。67分。
下記グーグルMap@(推定)
下記グーグルMapA
下記グーグルMapB